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TREATMENT

治療ご案内

体外受精や顕微授精など、配偶子(精子や卵子)・胚(受精卵)を体外で取り扱う治療を『高度生殖補助医療』といいます。

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着床に対する取り組み

着床イメージ

体外受精-胚移植治療において、形態学的に良好と評価された胚を移植するも着床が成立しない状態を繰り返すことを「反復着床不全」と言います。

着床は、「胚と子宮内膜の緻密な調和と相互作用」が絡み合って成立します。その着床のメカニズムについては、依然として解明されておらず、原因解明は簡単なものではありませんが、次の体外受精-胚移植の不成功を防ぐための一助として、検査を行うことは大切と考えられます。

以下が当院で行っている検査です。

1. 慢性子宮内膜炎(CE)

慢性子宮内膜炎(CE)は、軽度の炎症が持続的に子宮内膜に起こっている病態で着床不全や流産に関与する事が指摘されています。原因は、細菌感染や免疫応答との関連が示唆されています。着床不全を繰り返す場合にCEを発見し検査する事が、今後の治療に有効な手立てとなる可能性があります。当院では、CEの病態把握の精度を上げるために静脈麻酔下で子宮内膜全面掻把を行い子宮内膜全体の病理組織学的評価を行っております。

2. 子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)

子宮内フローラ検査は、子宮内におけるラクトバチルス菌の占有率を調べる検査です。従来の細菌培養検査で検出不可能な菌も同定可能です。子宮内の菌のバランスは、人それぞれですがラクトバチルス菌の占有率が妊娠成績に相関するという報告が多数あります。

3. 子宮内膜受容能検査(ERA)

体外受精-胚移植後に着床が得られない場合に胚移植日の子宮内膜が胚を受容できる状態にない可能性が考えられます。通常の胚移植法で多くの方が問題なく胚を受容できる状態にありますが、受け入れ時期にずれが生じてしまっていると良好な胚を移植しても不成功となります。

ERA検査は、本番の胚移植と全く同じ治療で子宮内膜の調整を行い、胚移植日の胚移植時間の子宮内膜を採取し、その子宮内膜の遺伝子発現を解析することで着床に適したタイミングで胚移植できているかを調べます。

4. 高濃度ヒアルロン酸含有培養液

体外受精-胚移植を行う際に子宮内膜への胚の着床を補助する目的で付着性化合物を含む培養液の使用に関して多くの比較試験が行われています。ヒアルロン酸は、ヒトの卵胞液中や子宮内膜にも存在します。高濃度ヒアルロン酸含有培養液は、胚周囲の粘調性を高め、子宮内膜への着床を高める目的で使用され着床不全に対しての有用性が確認されています。

5. 子宮内膜スクラッチ

子宮内膜スクラッチとは、着床の前にわざと子宮内膜に小さな傷をつける方法です。専用のカテーテルを用いて子宮内膜に傷をつける事によって生じる炎症と免疫経路の活性化が着床に対する子宮内膜の受容性を向上させることが想定されています。そのような着床しやすい子宮内膜を作りだす方法を子宮内膜スクラッチといいます。

6. PFC-FD療法(血小板由来因子濃縮物フリーズドライ)

治療の中で子宮内膜が十分な厚さにならず複数回胚移植をしても妊娠しない方、あるいは、胚移植がキャンセルになる方がいます。そこで注目されたのがPFC-FD療法です。PFC-FD療法は、血小板の中にある細胞の成長を促す物質や免疫に関わる成長因子を利用し、既に多くの診療科で治療として用いられています。不妊治療の分野でも、子宮内膜を厚くし胚を着床しやすくすることを目指すためにPFC-FD療法が実施されています。胚移植スケジュール中に2回、作製しておいたPFC-FD溶液を子宮内に注入したのち、胚移植をおこないます。

7. 妊娠に関わる物質の血中濃度検査(ビタミンD、銅、亜鉛)

着床環境や妊娠に重要な役割を担っている物質(ビタミンD、銅、亜鉛)の数値が妊娠に適正か判断します。

ビタミンD

当院で行っている着床不全検査の1つに"ビタミンD検査"があります。ビタミンD不足は、着床率低下や流産、妊娠合併症などとの関連が指摘されています。また、免疫寛容に関連するTh2細胞やヘルパーT細胞を調節する制御性T細胞を増やし、一方、免疫拒絶に関連するTh1細胞を抑制することが報告されており、妊娠に有利な免疫状態を誘導することが知られています。血中ビタミンD濃度が低い場合、ビタミンDサプリメントを服用していただくことにより、改善を図ります。

銅、亜鉛

当院で行っている着床不全検査の1つに"銅亜鉛検査"があります。銅濃度が高い方は、子宮内膜に銅が付着することにより着床しづらいとの報告があります。亜鉛は血中銅濃度を下げる効果があり、着床しやすい子宮環境に貢献すると考えられています。亜鉛濃度が低い場合、亜鉛サプリメントを服用していただくことにより、改善を図ります。

8. 漢方治療(当帰芍薬散)

当帰芍薬散は、伝統的な漢方薬であり産科婦人科領域では経験的に流産を繰り返す方の予防として使用されてきました。その作用機序は、依然として不明ですが免疫応答の調整との関係性が報告されています。流産予防のみならず、免疫応答の調節機構が是正されることで子宮内膜の受容性を向上させることが期待されます。

医療法人社団 慶愛 おびひろARTクリニック

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